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山怪 異世界への憧れと畏れ

exhibition review

ヨーロッパと日本の山をモチーフとした作品から、山のもつ神秘的な力や魅力の源を探る展覧会。

京都上賀茂、“いい気が漂っている” ことを、否応なく感じとることができそうな閑静な町。上賀茂神社から少し南に位置する瑞雲庵は、元両替商のお屋敷だった建物で、今は西枝財団が管理、維持し、若手創造者支援を主な目的とした展示スペースとして年2回一般に開放されている。

日本とポーランドの作家6人による「山」をテーマに、古来より、敬われ、親しまれ、畏れられてきた山のさまざまな表情、魅力に迫った展覧会。

印象的だったのは、蔵に展示されている山下耕平《TRAIL》2021。山登りをしていた時に目にしたもの、体験を取り込んだインスタレーション。建物の中に入れた途端、その大きさに気づくような違和感や、気持ち悪さが迫ってきた。

もう一つ、邸宅2回の屋根裏のような低い天井に床置きされたモニターに流れるアグニェシュカ・ポルスカ《話す山》2015 。世界中の顔のパレイドリアを引き起こす岩の画像を、映像にした作品。語りや映像の流れが、ゆっくりで一瞬戸惑った。SNSなど、普段見ている映像のスピードは速く、絶対に見なくてはいけないものではない。ただ見ていることに慣れてしまっていることに気づいた。
暇にまかせて、映像を見ているというおかしな行動と、その場所で、その期間、その時にしか見られない映像を、わざわざ出かけて見ることの違いについて、しばし思索する。

見えているもの、見えないもの、見ようとするもの。まさに山。

●今日の妄想●
顔に見える岩とフィンランド語で会話する。

山怪―異世界への憧れと畏れ
Mountain: Wonder and Fear
2021年9月24日(金)―10月24日(日)
Open   金土日|11:00-17:00
Closed  月火水木
観覧料無料
開催場所:瑞雲庵

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